むきゅーたむ!!

なんでも思ったこと・勉強したこと垂れ流し

リコンボルトを着弾させる2つの軌道=同じ点を通る放物線

valorantでソーヴァを少し使い始めたんですが、リコンボルトうまく使うの難しいですよね。

けっこー山なりにリコン撃っちゃうと、滞空時間が長いので敵に気づかれて壊されるまでがかなり早くなっちゃうってことがありました。。。そこで、そういえば、軌道は放物線だから、初速同じなら2種類の発射角度で同じ着弾点に行きつけるなぁと思い、簡単に計算してみました。(高校物理レベル)

(今回は面倒のため空気抵抗は当然考慮しませんので、働く力は重力だけです。よって下の式の通り運動物体の重さは考える必要ないです。)

各パラメータの定義と放物線のイメージ

各パラメータの定義と放物線のイメージ

この図は自分の位置を原点として、 w(m)離れた高さ h(m)の位置に着弾するようなリコンボルトの軌道で、初速の大きさを v(m/s)とし、発射の仰角をそれぞれ、 \theta1, \theta2とした時のイメージ図です。角度を\theta g = -10(m/s^2) とおいてあげると次のように表せますね。(横軸x, 縦軸yです。)

 \displaystyle x = vcos\theta \cdot t \Leftrightarrow t = \frac{x}{v cos\theta} \tan{1}
 \displaystyle y =  vsin\theta \cdot t + \frac{1}{2} g t^{2}

はい、ここで、邪魔な時間tを消去してあげます。

 \displaystyle y =  tan\theta \cdot x + \frac{g(1+tan^2\theta)}{2 v^2} x^2 \tag{2}

はい、そして、 (x, y)=(w, h) を通るという条件を与えてあげるために代入してあげましょう。そうすると...

 \displaystyle h =  tan\theta \cdot w + \frac{g(1+tan^2\theta)}{2 v^2} w^2
 \displaystyle tan^2\theta + \frac{2 v^2}{w g} tan\theta + \left( 1 - \frac{2 v^2 h}{w^2 g} \right)
 \displaystyle tan\theta = - \frac{v^2}{w g} \pm \sqrt{\left( \frac{v^2}{w g} \right)^2 - \left( 1 - \frac{2 v^2 h}{w^2 g} \right)} \tag{3}

はい、そうすると、tan\theta w, h, v, gで表せたので、これらを決めてあげると、tan\thetaが求まります。

そして、そのtan\thetaを式(2)にいれてあげることで、y=(xの2次方程式)が求まりますね。本当にただだの、放物線なので、オイラー積でシミュレーションするまでもなく解析的に求まります。

最初の図は下のようなMATLABコードで出力したものです。

最初に各パラメータの値を決めてあげてます。(テニスとかだとサーブが時速百何十kmとかでるので、 100(km/h) = 27.777(m/s)であることを考えると弓もそのくらいかなとおもって、適当に vを決めました。)

もともと、なんでこんなことを始めたかというと、滞空時間が短い軌道の方がいいよね、という考えからだったので、最後の方で着弾までの時間それぞれ求めてあげました。(式(1)に tan\thetaを代入してあげれば解決です。)

w = 50;
h = 15;
g = -10;
v = 30;

tt1 = - v^2/(w*g) + sqrt((v^2/(w*g))^2 - (1 - 2 * v^2 * h / (w^2 * g)));
tt2 = - v^2/(w*g) - sqrt((v^2/(w*g))^2 - (1 - 2 * v^2 * h / (w^2 * g)));
x = 0:8000;
x = x / 100;
y1 = tt1 * x + g * (1+tt1^2) * x.^2 / (2 * v^2);
y2 = tt2 * x + g * (1+tt2^2) * x.^2 / (2 * v^2);

plot(x, y1)
hold on
plot(x, y2)
xline(50)
hold off
xlim([0 55])

theta1 = atan(tt1);
theta2 = atan(tt2);
theta1  / pi * 180
theta2  / pi * 180
time1 = w / (v * cos(theta1))
time2 = w / (v * cos(theta2))

はてさて、結果は、、、

 \displaystyle T_1=5.07
 \displaystyle T_2=2.05

とかになりまして、50m離れた地点に着弾させるのに、2つの軌道は大体、3秒くらい違いそうですね。

まあ、valorantの中の重力とか初速の設定がどうなってるかはわからないし、憶測でだいぶがばがばに値設定しましたが、まあ、こんなもんでしょう。

因みに、初速vの値を小さくとりすぎると、当然目指す着弾点に到達しないことになってしまいます。その場合、式(3)のルートの中身が負になってしまって、 tan\theta複素数値になってしまいますね。現実の物理現象としては解釈が出来なくなってしまいますが、数学をもっと勉強したらこの複素数値の面白い解釈とか分かったりしないかなと期待しているんですが、有識者の方いらっしゃいましたらご教示願いたいです(笑

 

以上。とりあえず、計算で確かめてみましたが、特に新しい知見があったわけでもなく、リコンボルトは低い方の弾道を探して、結局経験と体で覚えていくしかないですね。(壁などの障害物があるので、常に低い弾道が通るわけでもないですしね。)

 

さくてきぃぃ^^